クルマのウンチクを語るとき、「足回り」というと、
普通はサスペンションの形式を言います。
ＭＧＦで言えば、「ダブルウィッシュボーン・前後関連ハイドラガス」とか。
でも、それを解説したってホントにつまらんのですよ。
実際の足の出来は悪いし。
これはMGFのフロント「A型ロアアーム」
図解はこちら。
あまり良く見えないけど
「ＭＧＦってシットリしてて、なかなかイイ足じゃん！」って思わせる足です。
一般道を普通に走ってるときは。
ところがちょっとワインディングを攻めこんだり、何かちょっとミスすると、
途端にコントロール性が難しくなります。
操作ミスはしなくても、
路面状況の変化で予想外の変な挙動を見せたりします。
そのため何の前兆もなく、軽いスピンモードに入ったりしてケッコウ慌てます。
そしてその対応が遅れると、一気にタコ踊り状態に突入します。
これがスピードが乗ってる時に起きると、
何の手立てもなく、あらぬ方向へクラッシュします。
ほれほれ、クラッシュじゃ！
クラッシュ！ その２
そんなわけで「このクルマ、もうチョットどうにかなんねーの・・・？」
そんな願いを込めて足廻りをイジってみました。
そんな話を読みたい人なんて、滅多にいないとは思いますが、
まぁ記録として残しておきましょう。
もう実車もほとんど残ってない希少車ですからね。
☆ ☆ ☆
もう何度も書いた気もするけれど、ＭＧＦの足回りはダブルウイッシュボーン。
それにしてはアーム長が短くて、シャシーグリップそのものが物足りません。
図解 アームが短いぞ・・・リアまわり！
レーシングカーと比較するのは「残酷」ですけど、
古いＦＪマシンのアームと、長さを見比べてもらえば分かり易いでしょう。
アーム長が短いと、サスペンションの変位によって
シャシグリップが大きく変化しているんですけど、ドライバーはあまり気が付きません。
だから思わぬところでコントロールを失なってスピンしたりします。
「カッ飛ぶぞ～！」と意識して走るときには、
サスもブッシュ類もフルストロークに近いところで動作するので、
あまり予想外の動きはしないけれど、
気を抜いて走っているときに、「え～？ なんで～？」というような場所で
あっさりとスピンモードになったりするんです。
では、ＭＧＦの足回りは貧弱なのか？
ん～、貧弱ではないと思います。
こんな風に片輪走行もできてますし。
これぐらいのことで、アームがボッキリ折れたり、
ハブがパックリ割れたりするようなことは・・・
いやいや、このクルマ・・・、相当に補強しまくってるかもしれません。
だってMGFって、普通に走ってるだけで、いろいろ折れたり割れたりしますから。
そもそもMGFがこんな操縦性になったのは
生産コストの削減のためFF車からユニットを流用したことと、
乗り心地を良くするために採用した、サブフレーム方式が原因です。
サブフレームがヒョコヒョコ動くんで、
せっかくアライメントを調整しても、数km走っただけで狂ってしまうんです。
数万円かけた調整費用が、たった数キロで元の木阿弥だなんて！
わはは。
→ アライメントのお話も読んでみます？
だから、どこかのショップで「サブフレーム」を
車体に「リジッドマウント」加工をしているのを見たときには、
「コレはスゴい！ やってみたい！」って感動した覚えがあります。
でも結局、アタシはやりませんでした。
もし、あれが５万円以下で出来るんなら、スグにやってたと思いますけどね。
それよりサブフレームの取り付けブッシュを
「ウレタン素材」や「硬質ゴム」に変更するほうが、はるかにコスパが高いです。
確か、英国の部品通販サイトが、そういうパーツの通販をやってましたが、
今でもあるんでしょうか・・・？
なんやかんや書き綴りましたが、
要するにタイヤの位置決めだけでもカッチリと改善できたら、
MGFはまるで別なクルマに生まれ変わったように、
格段に走りやすくなるでしょう。
特に高速コーナーがね。
それに、予想外の挙動も起こらなくなることでしょう。
チョー高速からのブレーキングも安心して踏めるハズです。
ヨタヨタしなくなりますから。
予想外の挙動によって起こっちゃう「事故」が減れば、
廃車置き場に運ばれるＭＧＦも減るだろうし、クルマの保険料も安くなるハズです。
あ！
「まるで別のクルマに生まれ変わったように・・・？」って、軽く言っちゃいましたけど、
これ、禁句でしたね。
