MGFの車高は、ハイドラの充填量を変えれば調整できますが、
ちゃんとやらないと、左右で高さが変わります。

 

あははー。

 

でもこれ、すごく有効な使い道があるんです。

 

もしオーナーの体重が、130kgくらいあったとします。

その場合、運転席側を高めにセットしておくと
ハンドリングが良くなるはずです。

 

もし、そういうお友だちがいたら、言ってやってください。

「健康のために、痩せたら?」

 

 

では、前後の車高バランスを調整したくなったときは?

そんな要望は却下?

 

いえいえ、MGFならそれも可能なんです。

いちいちスゴい車ですよね、MGFって。

 

車高のかなめパーツ=ナックルジョイント

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このジョイントが、ハイドラガスユニットを下から押し上げる
「プッシュロッド」の役目をしているんです。

とてもとても重要な部品です。

 

それなのに、あっさりヘタる、このパーツ。

(・・・サラリーマン川柳にでも応募しましょうかね。)

 

 

ここに使われてまーす!

tmr021

 

図解はコレ

G10M0390001

 

こいつがヘタると、ユニットを押し上げる高さが変わってきます。

 

普通は4輪とも同じようにヘタってくるので、目立ちませんが、
いつもハードなドライビングをしていれば、4輪がバラバラにヘタります。

とくに荷重が大きい後輪側が早めにヘタります。

すると、なんとなく前上がりの車高バランスになってきます。

 

車の姿勢が「前上がり」って、シャープな印象が薄れるんですよねー。

操縦性もどんどんアンダーステアな方向になってきます。

 

 

まぁ、MGFは出来の悪いミッドエンジン車なので、
アンダーステアじゃなきゃ、危なくて乗れませんが、
車高は「水平バランス」に保っていた方が、楽しく走れます。

 

 

だってミッドエンジンのスポーツカーなんですから、
ハンドルを切ったら、スッとアタマが入って欲しいんです。

 

 

で、どう対処するのか、と言うと・・・

 

 

詳細図を見ると、ナックルジョイントにはサポートスプリングと
前後で厚みが違うワッシャが入れてあります。

そんでもってコレ、

前輪用が薄いんです。

 

部品詳細図

G60M0302

(14番の部品です。)

 

このワッシャを前後で逆に入れてしまうと、前上がりになります。

実際にやっちゃいましたから、間違いありません!(笑)

 

このワッシャ、厚みの違いはホンの1mmほどなんですけど、
車体に組み込んでしまうと10mmくらいの違いになるんですよ。

面白いですね。

 

 

話は変わりますが、

アフターマーケットのパーツに「ロアナックル」というのがあります。

 

ハイドラユニットの充填量とは別に、
車高を下げるためのパーツで、交換ポン付けのパーツです。

 

アタシもロアナックルを使っていますけど、
走行3万kmを過ぎる頃から、だんだんと前上がりになってきました。

やっぱり後輪側のナックルが、先にヘタってきちゃったんですよ。

 

そこで後輪側のナックルだけ、あまり使ってない純正品に戻してみたら、
リア側が3cmも高くなってしまいました。

 

・・・これはイカン。

 

 

ヘンテコなホットロッドみたいで、みっともないです。

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(写真と本文は関係ありません。)

 

でも、ロアナックルっていうのは4本セット売り。

2本しかいらなくても、バラで買うことはできないんです。
仕方がないので、分厚いワッシャを何枚も用意して調整してみました。

 

まずは1枚。

・・・ダメ。ぜんぜん足りません。

 

 

次にちょっと厚め=2mmほどのワッシャを追加。

・・・まだ足りません。

 

 

ほんのちょっとだけ、前下がりのバランスにしたいんですよ。

さらに3mm分のワッシャを追加。

・・・おお!

かなり改善してきた感じです。

 

でも、辛抱強いアタシでも、さすがに何度もホイルを外して、
ハイドラガス回りをバラしてると腹が立ってきます。

 

 

エイやっ!

 

もうほとんどヤケクソ気味ですが、さらに3mm分のワッシャを追加して、
とうとう厚みの合計は1cm弱。

もうワッシャというより「スペーサー」です。

 

 

「これでダメなら、もう諦める!」

と思いながら地上に降ろすと、ちょうど良いバランス。

 

 

 

はぁ~、疲れました。

 

 

その後、約3万kmを走行しましたが、特に問題はありません。

たぶん大丈夫なんでしょう。

 

・・・と思う、今日この頃。

 

 

クローズアップ図

G60M0314

 

 

<ご注意>

このコンテンツを見て、同じような実験をするのはご自由ですが、
責任は負えません。
すべて自己責任でやってくださいね。