なかなか曲がらな~い!
というか思った走行ラインより外側にクルマが行っちゃうのがアンダーステア。
で、思ってたラインより内側にクルマが来ちゃって、
おいおい!ってハンドルを切り戻しちゃうのがオーバーステア。
もしこのとき、スピードが乗ってたら、
多くの人は「おいおい!」って言ってる間もなくスピンしちゃう。
だからアンダーステアの方が圧倒的に安心して乗れるし、安全。
と言っても、スポーツカーを名乗るんだったら、
「どんな高速域でもニュートラルに、狙ったラインを走ってくれよ!」って思います。
そこから先の世界は、ドライバーの腕前(技量)と相談ですけど、
クルマ側に運転操作を柔軟に受け入れてくれる操縦性能があれば、素晴らしい。
だけど、レース用の車両じゃないし、一般道を一般人が乗るクルマだったら、
「誰が乗っても安全で、気持ちイイ走りや感動を味あわせてくれる・・・」
そういうクルマを自動車メーカーさんは造ってくれると思いますよね。
普通は。
さて、そこで我らがMGF。
ゆっくり流してるときは、とても快適です。
実にコンフォータブル!
(・・・夏はエアコンが弱いし本革シートが暑いけど。)
じゃ、調子に乗ってスピードを上げていきますよ。
まずは直線道路。
路面さえ良好なら、時速200kmでもちゃんと走ります。
怖いけど何も問題は起こりませんよ。
これで問題があるようなら、製品としてお話になりませんし。
で、この状況で、ジワッと車線変更・・・
かな~りビビるけど、まぁ大丈夫。
でも、もし何か突発なことが起きて、パパッと早めの車線変更をしたら・・・
クラッシュMGF・その1 推定=100万円コース
そういえば、「エルクテスト」って知ってますか?
もし道路わきから急に鹿が飛び出してきて、反射的にハンドルを切ったら・・・
っていう想定の操縦安定性のテスト。
その昔、ベンツAクラスの初期型が、
このテストでコロコロと横転してました(笑)。
いやいや、笑い事じゃないです。
もしMGFでこれをやったら、時速100km以下でもスピン状態になりそうです。
んで、スピンからの~、横転。
イヤだ、恐い~。
だって、MGFはサスペンションアームは短いし、
リアの重心が高いし、サブフレームと車体の結合がヤワで、
タイヤの位置決めが「へなちょこ」だし。
だから、アンダーステアから簡単に「リバース」するんです。
しかも、いきなり来るから対処が間に合わない。
そもそも後輪にエンジンが乗っかっていて、
重心が高くて、荷重が大きい。
そういう構造だから、突然リバースして、しかも収まりにくいんです。
ポルシェとかの本格的なスポーツカーだと、
かなりの速度域まで破綻しないように造り込まれてるんですが、
MGFは、大衆向けFF車から持ってきたパーツを使って、
安くスポーツカーを作ってやろう!
そう考えて作ったんです。
昔からMGってそうだったんです。
昔はそれでも良かったんです。
だから、そういうことをすべて理解して、
ゆっくりMGFの雰囲気を楽しみましょうよ。
クラッシュMGF・その2 推定=全損コース
でも、
もし、
どうしても対策したい!って言うのなら、
後輪側の車高を少し下げて、「LSD」を装着するのがイチバン良いかも。
LSDって言っても、違法薬物じゃなくて
リミテッド・スリップ・デフのこと。
聞いたことありますかね?
きっと英国なら部品も売ってます。
部品は15万円くらいで、工賃も入れるとザックリ25万円コースかな?
めっちゃ高いですよね。
費用を聞いただけで眩暈をしそう。
・・・あ、だから「LSD」って言うのか。
MGFだって、トラクションさえしっかり掛かるようにすれば、
けっこうな高速域までアクセルとステアリングで自在にコントロールできるし、
峠道でドリフトごっこもできますよ。
ただ、もっともっと速度域が上がってしまうと、LSDの効果は無くなって、
例えば時速140kmで、先ほどのエルクテストをやったら、
無事に生きて戻れる自信はありません。
<オススメ情報>
MGFを超高速域で乗るなら、
「鹿」が飛び出さない地域がオススメ。
鹿だけでなく、うさぎ、イノシシ、犬、猫、ジイさん、バァさん・・・
誰も飛び出してこない場所でお乗りください。
さて、ここでMGFオーナーだけに、
もっと安くて「効果的な対策法」をお教えします。
その安上がりで、おすすめの対策とは!
そう、コレ。
これしかありません。
え?・・・はよ言って?
それは「挙動が穏やかな、ハイグリップタイヤ」を装着すること!
タイヤ交換のときって、ついつい値段の安いタイヤを選びそうになりますが、
心の中で下の呪文を唱えながら、クレジットカードを出してください。
「クラッシュするより、はるかに安上がり!」
「クラッシュするより、はるかに安上がり!」
「クラッシュするより、はるかに安上がり!」
より良いカーライフを誰にでも実体験で教えてくれる・・・
それがMGFの良いところ。
授業料が、かなり高額ですけどね。
クラッシュMGF・その3 推定=140万円コース