いつものピットで、いつものようにエンジンを降ろしてます。

 

 

 

 

 

 

マイMGF のK18 エンジンをいつもは見えない排気側から見てます。

 

 

 

 

 

今回は何をするのかというと、インテークチャンバーをVVC 用に換装してみます。

負圧配管の取付をちょいと加工する以外、この部品はどのMGFにもポン付けできます。

 

さて、このインテークを付け替えるメリットはたったの2つ!

1、ノーマルのインテークでは、4番シリンダーの吸気が苦しいので、

容量の大きなインテークに換えると、より適正な燃焼状態になる・・・ハズ。

 

2、ノーマルのインテークに使用されてるガスケットが、

ヘッドガスケットと同じ「ゴムシール」タイプで、振動で劣化してスグにヘタる。

するとここから冷却水が漏れるトラブルが発生するので、その予防のため。

VVCインテークには普通のガスケットを使用するのです。

 

 

VVCインテーク

 

 

 

 

 

 

図解はコチラ・・・

 

 

 

 

 

ちなみにノーマルの小さめインテークとゴム付きパッキンの図解はコチラ・・・

 

 

 

 

②番のゴムパッキンがダメダメ!

水漏れと、エンジンおシャカの元凶!

 

 

 

 

ついでにタイミングベルトも交換したりして。

タイミングベルト自体の耐久性は、国産も外国産も10万km くらいだと思います。

でも、なぜかMGFのエンジンに使ってあれば、なぜか不安になって5万km で交換したくなります。

これが古いマセラッティやランチアだと、2万km くらいで交換しないと、心配で夜も眠れません。

 

 

 

タイミングベルトの図解はコチラ・・・

下から2個目のプ-リーがウオーターポンプの駆動軸・・・

これもダダ漏れするらしい。

 

 

 

 

<ついでに解説>

1.8VVC はヘッドの反対側にもカムベルトがあるんですよ。

 

 

 

ほれほれ、図解はコチラ・・・

 

 

 

 

 

 

VVCというメカはですね、

ホンダのVTECのように、低速用と高速用の2種類のカムを回転数によって切り換えて、

バルブリフト量を変化させる・・・じゃないんです。

エンジン回転が4000rpm以上になると、吸気カムの開閉時間を変化させて

混合気をたくさん吸い込ませてパワーアップを図るとか。

 

その発想は良かったんでしょうけど、残念ながら実力が無かったVVC!

実際はロクに機能していなかったようで、ノーマルとVVCを比べてみたら、ちっとも変わらんのです。

パワー感も加速も最高速も、何も変わらん。

ホンダVTECのように、高回転になったらグワーっと来るものが・・・無いんです。

 

もっとも燃費もほぼ変わらんかったので、マジで役立たずだったんでしょうね。

それに加えて、初期型(96年~98年式)のVVCエンジンは、それはそれはよく壊れました。

そのほとんどの原因はこの反対側のカムベルトのプーリー。

 

製造時のプーリーのボルトの締め付けが悪く、これが緩んでカムシャフトが止まってしまい、

バルブとピストンが衝突してエンジンが破壊されたんです。

こんな故障は「リコール」するべき大きな問題だったのに、

当時のローバー社はこれを一切認めず、なんの対処もしませんでした。

きっと 「リコールなんて莫大な費用がかかるし、出来んわい。知らぬ存ぜぬで逃げちまおー!」

と決めたんでしょう。

さすが、ローバー。

さすが、斜陽の国の会社。

まぁ、日本のメーカーも時々やってるようですけどね、リコール隠し。

 

そんなこんなで、販売の現場では、売る方も買う方もVVCはまったく無視です。

信頼性の問題ほか諸々の問題で、MGFそのものの販売は、発売からわずか1年で失速。

そして低迷。

97年夏を過ぎると、不良在庫となりつつあるVVCの処理のために

「スマートオーナーシップ」とか、「金利1%ローン」、「ハードトップ付限定車」とか

VVC の拡販キャンペーンをしたけれど、

逆にノーマルヘッドのMGFにまで「壊れる→不人気→在庫処分→安売り」イメージが定着。

 

98年になると、数多く抱えたVVCヘッド車の在庫処理ができないところに加えて、

それでも、まだちょ~っとは売れてた、ノーマルヘッドMGF車の輸入が滞り始めました。

 

99年には日本のマーケット向け「タン革の内装」仕様が

「1.8iアビントン・リミテッド」として発売されましたが、

すでにMGFの品質問題が、周知の事実となってしまって、まったく売れませんでした。

 

 

アビンドン・・・アタシゃそれを買わされたのさー。

 

 

 

 

そのころになると、社員販売や自社登録してのイカサマな在庫処理が横行するようになって、

それでも売れ残ってるMGFは、「もう、どーにもならん!」とばかりに、

名古屋に運ばれて船便で本国に送り返されましたとさ。

 

初期の多くのMGFオーナーさんは、みんなトラブルに泣きましたけど、販売店さんがガンバリました。

中期のオーナーさんも、やっぱりトラブルに泣いて、さらに販売店の不誠実な対応に泣きました。

後期のオーナーさんは当初からかなり情報を得ることができてたのですけど、やっぱり大損して泣きました。

そうしてMGFを新車で買った人々は、タダみたいな査定金額に泣かされました。

次のクルマに買い替えるときまで、「老婆ぁの呪い」が続いたのです。

 

今はもう泣かされる人もいないでしょうけど、

もし、どこかでMGFの中古車を見かけても、決して見ちゃダメですよ!

どんなに安くても買っちゃダメ!

アタシゃタダでもお断り!

・・・ま、タダなら持ってきても良いですよ。

速攻でスクラップ行きにしますけどね。